鮮やかな青、映える雪山

あまりにあざやかなあお、そしてしろいやま。

 

静岡県三島市というところに住んでいた。昨日まで。昨日引越をして今は神奈川に住んでいる。引越の時には何かしらイベントを組み込むようにしている。1人で引越作業をするのは、少し心に負担が大きいからだ。というわけでホテルをとった。引越日の次の日が退去手続きの立ち合いだったので、せっかくなら一泊しようと計画した。掃除をしに旧居に来るつもりだったので丁度いい。どうせなら少し足を伸ばして伊豆や熱海などに泊まりたかったのだけど、旧居の掃除と退去手続きもある。とうわけで三島のドーミーインに泊まることにした。ビジネスホテルなのに露天風呂があるホテルだ。

温泉を堪能して一泊しチェックアウトをする。退去手続きまで時間があるので三島大社へお参りをする。三島は著名な観光地というわけではないけれど、あちこちにお土産屋がある程度には観光で訪れる人がいる。三島大社はいつもより賑わっていて、参拝者の列ができていた。日々、平日に散歩ついでに参拝していたので観光客が多いことに驚いた。三島で暮らした日々にお礼を、そして今不安な方々に平和が訪れますようにと祈った。

とても天気のいい日だった。透き通った青色の空、どっしりと佇む白い富士山。美しいなと思う。

三島の隣の沼津というところで生まれ育ったので、当たり前のように富士山を見て育った。だからか富士山の良さがあまりわからなかった。隣の家の壁、みたいな感覚だった。沼津を離れて10年近く、三島に来て3年、富士山の雄弁さを理解できるようになった気がする。美しいな、特にこの雪の積もった富士は。青い空によく映える。

都内で暮らしていると、空や木々の色に心を動かされることがあまりなかった。三島では、夏の薄い水色の低い空、冬の濃い青色の高い空、それに映える樹々たち、夏には深い緑色だったり冬には鮮やかな紅葉だったり。あぁ、雲の形も星の瞬きも美しかったな。それなりの都市部なのにそれでも自然が美しい。徒歩圏内に滝があるような地域だった。目の前の駅から新幹線に乗ってしまえば1時間もかからず都内に着いてしまうのに。いい場所だった。可能ならまた住みたいなと思っている。時期がきたらまた。