深い紺色に鋭い三日月が浮かんでいる

鋭利な三日月はいつも見惚れてしまう

凛としていてうつくしく、どこか安心感さえある

 

うまくいかない日々も続く、それでも自分で選んだのだからと覚悟を決める。切羽詰まった空気の中で、なんとかやっていこうとする。

引越の手続きで役所へ。相変わらず役所のことが何もわからない。手続きがスムーズに終わったことがない。こういう時、ふつうの人と思考回路が異なるのだろうなと毎回思う。多くの人が使う場所のインターフェイスが自分にまったく馴染まないのだと理解したのは一人暮らしが4年目になった頃で、これは自分でどうすることもできないと腑に落ちた。最初は絶望的な気持ちにもなったけれど、そういうものだと受け入れて、しょうがないなら対策をしよう、という感じで今はなんとかやっている。

そして毎回、自分の馴染まなさを思い知りながら、なんとか乗り切っていることに安堵と少しの自信を覚える。なんとかなるし、なんとかできる。歳を重ねてよかったことは、子供の頃は不出来なことにいちいち傷ついていたけれど、なんとかなるとわかるようになったことだ。不出来で不得手でも、もちろん完璧はむりだけれど、なんとかなる。それを知っている。